どうぶつたちがねむるとき

偕成社
イジー・ドヴォジャーク 作 / マリエ・シュトゥンプフォヴァー 絵
木村有子 訳
2017年6月初版1刷 23cm×30cm・36頁 本体1,600円+税

ラッコが眠るとき、漂流してしまわないように
コンブを体に巻き付ける、という話はここ数年で
有名になってきている。
その様子を映像で見ると、なんだか人間が
可愛く見せようとして作ったもののように思えるぐらい
愛らしくてビックリする。

ヒトの眠りと、他の動物の眠りは大きく違う。
ネコを飼っているとわかりやすいだろう。
彼らは浅くて短い眠りを一日中繰り返す。
小型の肉食動物らしい警戒心のあらわれだろうか。

クマやカエルの冬眠もよく知られているが、
冬以外の一日の生活サイクルはどうなっているのだろう。
身近でない動物も同様だが、どう寝ているのか、
思えばよく知らないし不思議だ。

ヒトと比べてごく短時間だけ眠る生物も
いるらしいが、現時点で、まったく眠らずに
生きていける生物は見つかっていないという。
すべての命に、眠りは必要なのである。

ネコやイヌのように身近な動物も、
ペリカンやニシキヘビのように野生状態は
ほとんど見たことがないような動物も、
毎日どう寝ているのか。
児童書ではあるが、大人が見ても発見が多く、
ページ数の割に読み応えがある。

独特の色遣い・筆遣いの絵柄は愛らしく、
しかし動物の寝姿はきちんとリアルで、
息をひそめてじっと見ていたくなる。