グラフィックデザイナー・絵本作家の
小亀たくさんをお招きした回、
先週、無事に終了しました。

絵本作家さんでありながら、これまでのキャリアの
ほとんどはグラフィックデザイナーだった小亀さん。
お話の最初は、どういう経緯で絵本のほうへ?と伺って、
などと思っていましたが、広告業界で働いておられた頃の
エピソードがおもしろかった!!

私は建設業界にもいるので、ビケ足場という会社には
とてもお世話になっているのですが、そこのロゴマークを
デザインされたのが小亀さんだったわけで、
興味が湧かないわけがないのですよ!


ひとつの商品名、ひとつのロゴマーク、ひとつのPR…
物を売る、とひとくちで言っても、考えるべき事は
山のようにあって、そのすべてを適切に過不足なく整えて
はじめてブランディングが成立するので、
やっぱりひとつの業務の中身が濃いのですね。
もちろん、絵本のお話もじっくりしっかり伺いましたよ!

小亀さんが絵本作家としてデビューした第一作
『じーさんとぴーぽっぽ』は、絵本として作ろうと思って
描いたものではなかったのだそうです。
現実に起こった出来事を、小鳥のぴーぽっぽの目線で、
と想像して描いたいくつかのシーンを、後から
あるきっかけがあって絵本にまとめることになったのだそう。
そのエピソードも含めて、絵本になるべくしてなった作品、
という感じがしました。
『じーさんとぴーぽっぽ』を読んだときの、心の隙間に
染み込み、入り込んでくるような温かさは、
作為ではなく、導かれて形になった、とでもいうような
作品の在り方に起因するのかな、などとも感じます。

そこからお話が(物語としても、小亀さんへの依頼という意味でも)
つながっていって3部作になったそうですが、その経緯の
ひとつひとつもとても新鮮でおもしろいんです。
長く勤めた広告会社でキャリアを積んで、部下もいれば
実績もあった小亀さんが、あらたな“絵本作家”の方向へ
進んでいったことは大きなチャレンジであり、
もちろん大変なこともたくさんおありのはずだと想像できますが、
それも含めて新しい世界を心から楽しんでいらっしゃる、
おもしろがっておられるのがお話の隅々まで
溢れるように伝わってきます。

その愉しみぶりが作品のなかにも横溢していて、
それが読む側を引き込んで愉しませてくれるのかな、と。
『ぴーぽっぽ』3部作も、できたばかりの新作『なつのうた』も
楽しいばかりのお話ではなくむしろ切ない物語なのですが、
辛い、暗い読後感を持たない、未来への光を感じる
とても素晴らしい作品です。

お話を伺って、その理由が見えたようで、とても楽しく、
勉強になった回でした。
ぜひ皆さんにも読んで、長く手元に置いてもらいたい!!
と強く感じたTalk About Bookでした。

お越しくださった皆様、小亀さん、今回のイベントを
コーディネートしてくださった絵本セラピスト・順さん、
本当にありがとうございました!

