10月の知りたい世界は、
企画展に合わせてきりえや・高木亮さんに
お話を伺いました!

その日の14時から、ワークショップで
ノートカバーを作っていた熱気そのまま、
とてもあったかい雰囲気でお話しを伺いました。
まずなにしろ高木さんの穏やかなお人柄!!

当店では初期に並べていた「ユメとバルーン」の
切ない物語、懐かしい風景から想像されるとおりの
ゆっくりと、きちんと言葉を選ばれる話し方で、
とてもお話しがわかりやすかった…すごい。

絵が好きでその方面から学ばれていた大学時代、
ご自身のイメージを表現するのにもっとも適した技法が
切り絵だとわかって作り始められたそう。
目に見えるものを面として陰影や距離感で掴むタイプと
物の輪郭で捉えるタイプがいて、自分は後者だったと
おっしゃっていましたが、言語化するとそうなる感覚は
私もとてもよくわかりました。

画風も切る技法も独学で、ずっと切り絵作家として
活動なさってきて、切り絵には流派があるということも
後で知ったとのことで(私たちもみんなそのとき知った)
ずっとご自分で道を拓いてきた感じがお人柄からも
伝わってきました。

切り絵ですから、当然カットして抜け落ちてしまう部分も
発生するわけですが、そうした部分がなくなったり
おかしくなってしまわないように、下絵の時点で
ブリッジを作ってうまくつなげておく工夫も。
想像が近いのはプラモデルのパーツをつなぐランナーですが
そういうこともご自分に合うよう、やりやすいように
考え出してきたとか。

建築と通ずる部分もあったりして、やはり
技法の部分のお話も深く引きこまれるものがありました。

いろいろと試行錯誤もなさるなか、大作だけではなく
手に取りやすいものも、というところから作り始めた
「偽本」シリーズは、ご参加者さんも
「イメージと違う」とおっしゃる脱力ユーモア路線。
文学や映画の名作タイトルをもじったパロディタイトルと
その作品のワンシーンを切り絵で表現し、
ご本人いわく「うそっぱち」のあらすじを載せた
面白ブックカバー(笑)

現時点で構想も含めると300作を超えている、とのことで
よくこんなに思いつくなあと思ったら、やっぱり
お風呂で、とか隙間時間で、他の締め切り仕事が
キツくなってきたときの逃避で、という感じで
作り貯めていっているそうでした(笑)
ちょっと予想通りでおもしろかった!
展示会期も序盤ですがたくさんの方に面白がって頂いて、
もう当店では在庫僅かのものもあり、また追加していただく
という人気ぶり、実物を見るとより楽しめますよ!

そんなこんなで盛りだくさんだったトーク、
最後のサインも作品ごとに絵を変えてくださったり、
とても素敵な時間でした!!

ご参加くださった皆様、高木亮さんは東京から、
本当にありがとうございました!
