本に関するお仕事のお話を伺う「Talk About Book」。
ゲストが岩手県立博物館学芸員の髙橋雅雄さんというと
「本?」という感じですが、高橋さんが監修なさった
素敵な本が出版されましたので、その記念に、
という口実でお越しいただきました(笑)

口実なんかなくてもお越しいただいて伺いたいことは
山ほどある髙橋さんなので、最初から盛り上がりました~
今回のご本は、イラストレーター・造形作家の
秋草愛さんが、日本で見られる野鳥のイラストを
描き方まで添えて紹介する本です。
「日本の野鳥 お絵描き図鑑」

ということは髙橋さんの監修のお役目は、
鳥の色や形、大きさ、バランスなど
姿がきちんと正確かどうかをチェックする、
ということなのだろうかな、と想像しておりましたら、
それはそうなんだけどそれだけじゃなかったみたい。

もともとゲラとして既にたくさんの鳥が描かれていた中で、
この鳥が入るならこちらも入れてはどうですか?とか、
この種類を描くならこの辺も紹介してほしい、とか、
そういう“日本で見られる野鳥を描く”ということを
きちんと伝えられるようにチェックしていったそうです。
ゲラの時点では北海道・沖縄の鳥が入っていなくて、
そうすると北海道や沖縄でこの本を手に取った方にとっては
他人事のような本になってしまうから、そこは
バランスという意味でもこの鳥を入れてください、と
おすすめしました、とのことでした。

日本という国で見られる生き物(鳥に限らず)は大雑把に言うと、
北海道の生き物はロシアや北アメリカ寄りの種類・生態に近く、
沖縄の生き物は台湾や中国南部・東南アジア方面に近く、
本州・四国・九州の生き物は比較的日本ぽい、という具合に
ざくっと3分割されるそう。
こういった部分とかは、フィールドでたくさん見ている
現場の研究者でないと、肌感覚でわからないことかも…
と感動しました。

そもそも髙橋さんにこういうお話が来るのも、
鳥の研究者であるとともに、絵に描かれた鳥の解説が
とても面白いヒトである、というところから。
そのきっかけはというと、最初は本当に趣味として
絵でも見ようかなぁと思ったんだそうですが、
同級生に美術方面に進んだ方がいらして、
描かれた鳥の姿についていろいろ話していたら
それを人前で話せ、と薦められて場ができた、
という、そのへんのエピソードもまたおもしろかった!!

いまでは絵を見るのも半分仕事みたいになってきた、
と冗談をおっしゃっていましたが、
楽しいことが仕事になるなんて最高ですね!

渡辺省亭という、幕末に生まれて明治大正期に
画家として活躍した日本画家がお好きだそうで、
絵を見ると確かに素敵なんですが、
近年再評価の動きが加速して大変に高く評価されている
この絵師のお話とか、もう本当に知らなかったことばかりで
それだけで2時間聞けそうです。

好きこそものの上手なれ、と言いますが、
好きなことを突き詰めていくとこんなふうに、
知っていることと新しく知ることがどんどん結びついて、
楽しくてたまらないだろうなあ、というぐらいに
広がっていくものなんですね!
あまりにトピックが盛り沢山すぎて
終盤は駆け足になってしまいました、
これはまたお越しいただくしかない!

とても楽しい一夜になりました、
髙橋雅雄さん、お越しくださった皆様、
本当にありがとうございました!!
