2020年に創刊した「季刊あおもりのき」。
前身は「あおもり草子」というタウン誌で、
創刊が1979年だそうなので私は同い年。
2019年に終刊して40年の歴史を終えた。
毎年夏にはねぶた・ねぷた特集号を発刊し、
ねぶた師はじめ関係者はそのバックナンバーを
何冊持っているかを誇るのである、
とねぶた作家・太田さんから聞いていた。
半分冗談ではあろうが、そういう愛着を
持ってもらえる雑誌だったということでもある。
並大抵のことではない。
その編集長も務めた方が後を引き継ぐ形で
つくられたのが「あおもりのき」で、
2020年夏のねぶた特別号から、
青森の風土、風物、歴史に根ざした特集を、
「じっくり編む」とでもいったように
作り込んでいる。
![](https://shoshimizumori.catalyze-design.com/wp-content/uploads/2023/11/245aomorinoki23s.jpg)
すぐお隣なのに知らないことばかりの県のことを、
充実した内容で教えてくれるのはもちろんだが、
各ページに載っている広告が良い。
地元の企業の名前もキャッチフレーズも新鮮で
旅行で行った先でみかける広告やニュースのように
味わいぶかい。
隅から隅までじっくり読みたくなる。
![](https://shoshimizumori.catalyze-design.com/wp-content/uploads/2023/11/244aomorinoki23a.jpg)
それになにより、私の子どもの頃の大スター、
伊奈かっぺいさんが現役で寄稿している、
これが嬉しい。ひとり漫談の「だびよん劇場」
というのを、当時はカセットテープで
車でも自宅でも聞いていたが、ジャケットは
かっぺいさんの手描きだった。
その懐かしい、見事な文字とイラストが
A4の1ページを埋めている。
本当に楽しい雑誌である。
ネタバレは本意でないのだが我慢できないので
書いてしまうが、最新第15号(秋号)の終盤、
“東京の青森人”記事の主人公は、東京・巣鴨で
青森料理の居酒屋を営む“原辰徳”さん。目を疑う。
まさか某球団の監督だった人ではあるまいが、
よその土地の地域誌のこういう記事、たまらん。