新イベント「未読本話会」のお知らせ

未読本話会
(未だ読まざる本について話す会)

ご自宅の“積ん読本”をお持ちいただいて
それぞれに紹介したり質問したりします。
あまり話したくない、ひとの積ん読を知りたい、
という方も歓迎です。

4月6日(土) 17時から開始(約90分) ←満席となっております
書肆みず盛り店内にて 定員4名
参加費 一人500円

お申込みは
・書肆みず盛り店頭
・電話(019 677 8863)
ウェブサイトの問い合わせフォーム
いずれかよりご連絡ください

“積ん読のなかに豊かなものがある”

当店にお越しになる方の中にも、
「いま家にいっぱい読まなきゃいけない
本があるから買えない~」
と言って帰られる方がいます。

店主は、
「読まなくてはいけない本」という言葉には
ずっと前からひっかかるものを感じています。

本好きな人が自虐的なジョークとして
「いつのまにか増えている」
「本は夜のうちに仲間を呼んでいる」
「本屋から勝手についてきた」
「本は子だくさんな生き物」
などと言っているあいだは面白いですが、
「読まなくては!」と“義務にする”必要はないのでは…
と思うのです。

心理学者・河合隼雄と詩人・長田弘は対談の中で
「積ん読というのは読まないのとは違う、
何かの拍子にいつでも読めて
そこから夢中になる本のこと」
と言っています。
積ん読は「読まなきゃいけないもの」ではなく
「いつか読まれる時を待っているもの」。

読みたいという気持ちをずっと持ったまま、
あるとき、日常の中でも、旅などのイベントでも、
なぜか急に手にして読むときがあります。
そのタイミングで読んだ本の面白いこと!!

これは、図書館に行けば本がある、というのとは
まったく違います。
自宅の本棚で背表紙をたまに目にするからこそ
いつか来たそのときが味わえる、という
本を所有することの最大の「豊かさ」だと思います。

「子どもに本を読ませたい」という言葉、
それに対して「親が読まないのに子が読むわけない」
という言葉、どちらも最近よく耳にします。
店主はどちらにも共感できません。

「親が読ませたい本」が子どもにとって面白いわけがない、
「読んだらあかんで」と親に言われた本こそ
子どもが面白がって読むものだ、と、
先に紹介した対談の中でもおふたりとも言っています。
「この本、どんな話?」「まだ読んでないから知らん」
この会話のあと、子どもは絶対にその本を読んでいる。
親がたくさん本を読んだかどうかは、
子どもの読書習慣にはまったく関係ないと
私は思っています。

「読みたいけど忙しいてまだ読まれへん」
そんな“親の本”が家にあったら子どもは絶対に読む。
このカシオミニを賭けてもいい、ぐらいに絶対に読む。

私の場合は、小学校で先生が、同級生が、先輩が、
憧れの人物が黙って一人で読んでいた本が
どうしても気になって気になって、
何を読んでいるのか、何が面白いのか知りたい、
そこから本を読むことが始まりました。
そしてとうとう本屋にまでなりました。

読書は体験と結びついて初めて、
楽しさを含んだものになると思います。
積ん読は楽しい体験の種なのです。
ダメなことみたいに思ってしまうのはもったいない!

だから“積ん読”を堂々と続けましょう。
徳を積みましょう。
そして人に自慢しましょう。
積んであるこの本は、こんなきっかけで買った、
こんなタイミングで読みそうな気がする、
そんな話を、とつとつと、だらだらと話しましょう。

しばらく夢だったそういうイベントを始めます。
ぜひご参加ください。