2年ぶり2度目の登場、書家・伊藤康子さんに
お話を伺う書肆みず盛りの知りたい世界、
終了しました!

今回の企画展は、康子さんが毎年作っているカレンダー。
最初はご自分のために、手書きでサラッと描いたところから
暦づくりを始めたのだそうですが、それが1994年のこと。
なんと32年前!
それから毎年欠かさず、どの作品群よりもながーく
続けておられるんだそうです。
まさにライフワーク!ですね。

最初の手書きを見たご友人に私も欲しいと言われ、
翌年からは製品化。

岩手の八幡平・田山地方で生まれ、盛岡にも伝わった
「めくらごよみ」(いまでは絵暦と呼ばれるのが一般的)
に凝っていた時期もあって、絵で暦を描いてみたり、
思いついた文字の象形を描き始めたり、
十二支の象形を描いたり…
様々な変遷、年ごとの工夫がとても楽しい暦たちを
ご紹介いただきました。

暦である以上、玉(日付の数字のこと)も当然必要ですが、
その書き方も年によって違ったりします。
そもそも最近の暦も、1~0の十個の数字を書いて使い回すのではなく、
365日分をぜんぶ手書きにしていらっしゃいます。(その時点ですごい)

漢数字にしたら「読みづらい」と言われ、
リズミカルに書けば「(並びがズレて曜日が)読みづらい」と言われ、
罫線を書いたら「(線が目立って)読みづらい」と言われ、
細く瀟洒な数字にしてみたら「読みづらい」と言われ、
太くしたら「(太すぎて隣と区別がつかず)読みづらい」と言われ、
凝って茶系の質感の良い紙にしたら「字が見づらい」と言われ、
象形文字がわからないと言われ…
その都度その言葉に対応して工夫して変えて、ずっと考えながら
作り続けてこられたんだそうです。

色んな人が色んな方向から要望を言うんだなあ、と
他人事ならぬ気持ちになりますが、
康子さん自信が全然めげてなくて気軽~にそのことを
話していらして、ああ、これは本当に人生の仕事なんだなあと
面白くも感じ、感動もしました。
昨年、川留稲荷神社の幟を書くというお仕事もなさって、
その折のエピソードも伺いました。
6mの長い布に筆で一発で字を書く。
本番の様子を撮った写真がたくさんあって、展示でも
ご覧頂いていますが臨場感があって、
大変なこともあっけらかんと話す康子さんなので
楽しく伺いましたが、『書』というのは大変な全身運動、
肉体労働だなあとしみじみ思いました。

相変わらず、他の字と比べてどうこう、という自己評価をせず
書きたいように、描きたいように書に臨む姿は
元気をいただけます。
ご参加のみなさんも同じようにおっしゃっていて、
これから春に向かい、いろいろと動き始める時季に
エネルギーを貰ったような一夜でした。

伊藤康子さん、ご参加の皆さま、
本当にありがとうございました!!

