世界のギター・ヒーロー50人に聞いた500の素朴な質問

シンコー・ミュージック・エンターテイメント
飯村淳子 訳
2014年10月19日発行 四六判・256頁 本体1,500+税

私が高校生だった頃、まわりの皆は洋楽のロックを聴いていた。
ガンズ・アンド・ローゼス、エアロスミス、ボン・ジョヴィ、
ヴァン・ヘイレン、ローリング・ストーンズ、ピンク・フロイド…
リアルタイムよりはちょっと遅いぐらいのタイミングで
いろいろなバンドを皆がおっかけていた。

みんな当然のようにそのバンドのギタリストが好きで、
誰のリフが最高とか、この曲のここのピッキング、とか、
わかって言ってるのか知ったかぶりなのか微妙なところだが、
よく言い合っていた。そういう時代だった。

私はみんなよりさらに遅れて、人に教わって、
ミスター・ビッグとエクストリームも好きだったので、
ヌーノ・ベッテンコートが好きだった。

彼がこういう本に出てこないのは
いつも不満だが、それはそれとして本書は面白い。

なにしろ本当に有名なギタリストにいろんなことを
直接ぶつけて答えてもらってるわけである。
ギターテクニックについては、ギター小僧だった人なら
ひとつふたつは持ってるのだろうが、
バンドや他のギタリストとの人間関係の噂話をぶつけたり、
けっこうばっちり切り込んでいる。

ギター・ワールドというアメリカの雑誌で人気の企画、
Dear Guitar Hero をまとめたのが本書だそうで、
雑誌の取材自体がギタリスト達から信頼されているのだろう。
文面からでも、そういうあたりは伝わるものだと思った。

80年代、90年代の洋楽ロックが好きだった層にはたまらない、
ニヤニヤ笑いの止まらない一冊だと思う。
リッチー・ブラックモアがイングヴェイ・マルムスティーンについて、
イラッとくるのは演奏じゃなくて服装だと応えていたのには笑った。
私もそういう世代である。