詩集 願いの玉

伊藤恵理美 自主出版
2012年4月10日初版発行 本体1,800円+税

煌びやかな形容詞を連ね、
難解な助詞と文脈で心象を表現するのが詩、
と若い頃は思って、敬遠してきたところがある。

そうではなくて、率直な、単純で純粋な言葉で
心は表現できると知って、詩を選び、読むのも
面白くなってきたところで、この詩集と出会った。

つまらないネタなどない、つまらなく書いているだけだ、
と、どこかの記者が言っていた。
つまらない人生などない。
自分ではつまらないと思っているだけで、
つまらなく書いているだけだ。
そして、面白く書く、というのは、
言葉をいじりまわすことではない。

子供のような、飾らない日記のような詩。
普通の暮らし、日常を、やたらに飾らず
そのまま描いても充分に、
明るく優しい光が当たって輝くのである。