観察が楽しくなる美しいイラスト自然図鑑 野菜と果実編

創元社
V・アラジディ 著 / E・チュクリエル 絵 / 泉 恭子 訳
2017年11月20日第1版第1刷発行 B4判変型・68頁 本体1,800円+税

アメリカ人は、本当に本気で「rice(お米)は野菜」と
信じているらしい。だから日本食はヘルシーなのだ、と。
この本もタイトルに「野菜と果実編」と明記しているが、
コメがばっちり載っている。
麦やトウモロコシと一緒に、穀物類という扱い。

小麦粉やトウモロコシを主成分にしたパンなどを
野菜と捉える日本人はたぶん、ほとんどいない。
いるとすればお笑いのサンドウィッチマンぐらいである。
この本の著者たちはアメリカ人ではないが、
でもやっぱり捉え方がちょと違っていて面白い。

カボチャの仲間やデーツ、チコリなど、
日本の畑ではあんまり見かけない野菜も
たくさん載っている。

そういえば、野菜と果物の定義・区別というのは
ときどき話題になるが、これを機に調べたところ
「はっきりした定義はない」と農林水産省が定義している。

定義は国によって違うというのはなんかわかる。
南米のある地域ではバナナが主食で、穀物に近い扱い。

「美しいイラスト自然図鑑」でも樹木類と
野菜・果物類を分けたのは、明らかに人間が食用に
用いているかどうかの区別だと思うが、
食文化というのはどこのどんな話を聞いても面白い。

この本のリンゴのページもきっと大変面白い。
ページ全体が、読む方にとって予想外の彩りだと思うから。