マンガがあるじゃないか

河出書房新社
河出書房新社 編
2016年1月30日発行 四六判・210頁 本体1,300円+税

読書家と名乗るほどではないが、
私も本を読むのは昔から好きである。

私は、漫画も読書だと思っている。
ストーリーの巧みさやキャラクターへの感情移入、
なにより、ファンタジーやフィクションであっても
人を引き込む説得力があれば、その作品は魅力を持つ。
文章であるのか、マンガであるのか、形式は関係ない。

ただ、巧みさ、感情移入、説得力といった魅力を
どう評価するかは、人によってだいぶ違うだろう。

本書で29人の様々な職種の人がそれぞれ挙げる、
影響を受けたマンガの中で、私が既読のものは
4作しかなかった。

他の25作品がつまらない、ということではなく、
私がこれまで選んでこなかった、というだけである。

本編のマンガの紹介もそれぞれに面白く、
これから読んでみたいと思うものが多かったが、
本編の間のコラム「マンガ販売の現場から」も、またいい。

マンガとひと口に言っても、どれだけ多くの人が
どれだけの気持ちを持って関わっているかが
より想像される。

表現の世界の奥深さは、簡単には掴めない。