夏葉社
詩 ヘンリー・スコット・ホランド / 絵 高橋和枝
2012年1月25日第一刷発行 四六判上製・120頁 本体1,300円+税
ひとは二度死ぬ、という。
一度目は、心臓が止まったとき。
二度目は、その人との思い出を持つ人が、
だれもいなくなったとき。
だから忘れてはならない、と縛るのではない。
毎日毎秒、思い出さなくてはならない、のではない。
たった四十二行の詩の中に、
そのことを伝える一文がある。
私はただ となりの部屋にそっと移っただけ。
見えなくても、そばにいる。気配がある。
だからときどき思い出せばいい。
私のことをこれまでどおりの
親しい名前で呼んでください。
あなたがいつもそうしたように
ときどき名を呼べばいい。