夏はなぜ暑いのか

岩波書店
佐藤文隆
2009年5月28日 第一刷発行 四六判・262頁 本体2,300円+税

夏は何故暑いのか、メカニズムを
うまく説明できるかと言われると
確かにもごもごする。

地球の公転で、太陽に近い時期と遠い時期があり
近い時期が夏、遠い時期は冬。
北半球と南半球で寒暑が逆になるのも
それで説明がつくと思っていたが、
それだけだと北極・南極の寒さの違いが
すっきり言い切れなくなってしまう。

思えば小中学校レベルの知識はそうやって、
大人になるにつれてなんだか曖昧になっていき、
自然への興味そのものも失ってきたような気がする。

そういう身近な世界にたいする知識と、
歴史や生活に根差す科学のエピソードを
バランス良く取り混ぜて、消化しやすい
エッセイにしたのが本書である。

タイトルは固く感じるが、子どもの頃に
こういう本から科学の勉強を始めれば、
もっと科学に強くなれたのかもしれないと思う。
同じように思われる向きには、
きっとなにがしかの発見が出来る
良いきっかけの一冊になれるだろう。